手外科の役割と診療内容

手は人間の器官の中でも最も複雑で多彩な運動ができ、脳の発達にも大きな影響を及ぼすことが知られています。手外科とは一般にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、整形外科や形成外科のひとつで、手の機能障害を外科的に治療する分野を言います。典型的な例は切断された指を接着する手術で、世界で初めて親指の再接着に成功したのは日本の手外科とされています。手の組織は神経や筋肉や腱が複雑に絡み合っており、手術は非常に難しいのが特徴です。

しかし近年では双眼顕微鏡を使ったマイクロサージャリーの発達により、細かい部分まで確実に外科的な治療ができるようになっています。比較的身近な病気では、ばね指や手根管症候群も守備範囲に入ります。ばね指は更年期や出産期の女性に多い病気で、腱が炎症を起こして腫れ上がり、動かすと痛みます。薬で治らない場合や再発を繰り返す場合には、腱を切開する手術を行ないます。

手根管症候群は原因はよく分かっていませんが、やはり更年期の女性に多く、手の神経が圧迫されて痛みやしびれを感じる病気です。ビタミン剤や湿布薬などで対応しますが、難治性の場合は手術が必要です。日本手外科学会の認定する手外科専門医は、形成外科や整形外科の専門医を取得してから5年以上の研修を受け、試験に合格した医師だけが取得できる資格です。なかなか回復しない手の病気やケガで悩んでいる方は、手外科専門医に相談してみることをお勧めします。

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